Ciscoシリアルコンソール ケーブル自作

はじめに

前回は1000BASE-Tクロスケーブル自作のお話でしたが、今回はCiscoのシリアルコンソールケーブル自作のネタです。
自作するケーブルはCiscoの水色のきしめんケーブルで8P8C(RJ45)とD-sub 9pinメスというものです。
大体の機種で大丈夫だと思いますが、一部例外があるようですのでご注意ください。

ちなみに作り方の解説ではなく、不要になったLANケーブルを流用してコンソールケーブルを作るときのチートシート的なもののつもりです。

参考にしたのはこちら

使用するケーブル

不要になったLANケーブルを流用するので普通は図のような568-Aか568-Bのどちらかになっているはずです。

D-sub 9pin メスコネクタ

ケーブルの途中を切断して配線します。相手はD-sub 9pinメスコネクタです。
コネクタを、ケーブルをつなぐ側から見るとこんな感じのナンバリングです。

画面の手前から奥に向かってLANケーブルが生えることになります。

実際に配線

8P8Cの色の並びを基準にして配線したらD-sub側の色の並びがどうなるかということを示した図が下のものです。
8P8Cが左、D-subが右なのは見たとおりです。図が見づらくなるのでD-subの上段と下段を割って描いています。

UTPの結線について

UTPでLANケーブルを自作することが多いのですが、皆様はいかがでしょうか。


まず、LANケーブルのコネクタは通称RJ-45ですが、正しくは8極8芯モジュラーコネクタ(8-Positions 8-Conductors(8P8C) modular connector)と呼びます。
ピンの配置とペアは皆様ご存知、次の図の通りです。


ピンと素線の組み合わせはTIA/EIA-568-A(以下568-A)とTIA/EIA-568-B(以下568-B)がありますね。


さて、ストレートケーブルを作る場合、568-Aとか568-Bのどちらかを選んで両端を成端します。
どちらを選んでも構わないのですが、私は568-Bで成端します。というのも、素線の配置が568-Aよりも568-Bのほうが無理がでない(ような気がする)からです。
さて、両端を568-Aで成端した例が次の図です。


そして、クロスケーブルにするには片方が568-A、もう片方が568-Bになるように成端します。つまり、白緑/緑のペアと白橙/橙のペアを入れ替えるのです(左が568-A、右が568-B)。


100BASE-TXの場合は、これで問題ありません。というのも、100BASE-TXではTransmitとReceiveの2ペア計4線で通信をしており、もう4線は使用していません。なので、使用していないペアはストレートで結線されます。


ここで1000BASE-Tについて思い出してみると、4ペア8線で通信を行います(1ペア250Mbpsで4ペアありますから1Gbpsです。上り下りで同じ信号線を使うので、上下あわせて2Gbpsになります)。
ということは、100BASE-TXクロスケーブルの「ストレート結線」部分もクロスにしなければならないということです。
下の図は右側の568-Bを基準にして作ったクロスケーブルの例ですが、568-Aを基準にして4-5、7-8のペアを入れ替えてももちろんOKです。


これで本当のクロスケーブルができました。ちなみにこれは100BASE-TXにも使用可能です。

しかしながら、1000BASE-T対応機器はほとんどの場合Auto MDI/MDI-X機能を備えているので、クロスケーブルを作る必要はなく、ストレートケーブルでつないでしまっても問題はありません。


余談ですが、UTPケーブルは568-A/Bで作るようにしましょう。
電気回路的に正しい結線をしていても、単色/ストライプのペアが合っていない(スプリットペア)と電磁気学的には不良です。